小北線2000/10工事直前の情景

小北線は、小山変電所と北東京変電所を結び、元猪苗代旧幹線の一部ですが、経由地の古河市内はジャンパー開放されており、北東京変電所側から利根川を渡ったところまでは逆順送電となっています。

そんな小北線ですが、建設当初の鉄塔は古くなった上、地上高も不足している為、順次建て替え工事が行われ、すでに原型鉄塔は存在しません。

小北線165号旧鉄塔2000/10

画像の小北線165号は碍子を西側に振った懸垂型で、建て替え後は耐張碍子吊りとなり、圏央道が通っています。

塗装が荒れた工事直前の小北線原型鉄塔

ここで取り上げるのは、2000年秋、幸手市内に残っていた建て替え寸前の原型鉄塔達です。

塗装が荒れた小北線166号2000/10、除却済み

小北線166号。塗装が荒れて、赤い下地が露わになっており、工事が視野におかれていたのが分かります。

小北線167号から見る154kv昇圧への改造

猪苗代旧幹線は、1914年、115kv仕様で建設され、田端変電所まで送電されていました。1944年に154kvに昇圧したとき、今度は京北変電所接続に変更。残された区間は一部66kv送電に利用され、その後、154kv4回線の千代田線に建て替えられました。

 

小北線167号旧鉄塔2000/10、工事囲い完了

画像を見ると、碍子は154kv用に交換されています。中心の幅の短い腕金が建設時の仕様。上と下の腕金は154kv化の際改造した腕金で、資材不足の為か補強がありません。

工事用仮設道路構築中の小北線169号

1982年に杉戸高野台駅開設が決まり、その際区画整理事業が行われ、1987年街開きしています。小北線はその影響で水路上へ迂回する大工事が行われ、迂回区間は2導体で建設されました。前後の2基、鉄塔補強を掛け、耐張碍子仕様に改造されています。

残る小北線169号も、ついに建て替え工事が開始され、これから工事のための仮設道路を造り、工事作業所を構築します。

小北線169号2000/10、工事用仮設道路工事中

この区間は、鉄塔7基が存在していましたが、実際の建て替えは4基。163/165/167/169各号が新鉄塔に建て替えられ、164/166/168各号は建て替えられず除却されました。その為鉄塔間隔は開きましたが、小北線の鉄塔間隔は元々狭かったので、ちょうど良くなった感もあります。